• テキストサイズ

その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第47章 嵐、束の間の静けさのち嵐 前編



「ああ。すまない。
こちらが勝手にした事だ…、
お気になさらず」


そのまま杏寿郎とその男は
井戸の方へ行ってしまったので

その場で絶ち尽くしていた
いすゞ と呼ばれた娘に

炭治郎が声を掛けた

「あの、すいません。
えっと、大丈夫ですか?
俺、拾うの手伝いますから」

そう言って地面に落ちていた
お盆を炭治郎が
腰を屈めて拾おうとした時に


「鬼狩り様…であられますか?
貴方も。あの方と、同じ格好をしてる」


鬼殺隊は非公認組織だ

鬼の存在すら
知らずに生きている人が多いんだ


この人は 知ってるんだ

俺と煉獄さんが鬼狩りだって事


それに この…


この人からするこの匂いは…


「煉獄さんの事…、ご存じなんですか?」


そう恐る恐る炭治郎は尋ねた


「私は…、半年ほど前に
あの方に助けられた者です…。
今でも。はっきりと憶えています。
お得意先に、団子を届けに
山を降りていて…、そこで世間話を
し過ぎてしまって…帰る頃には
すっかり日が落ちてしまって。
いつもなら、夜に外に出る時は
お守りとお香を持っているんですが…。
その日に限って…持ち合わせてなくて」

「そうだったんですか、その時に鬼に?」


炭治郎の問いかけに いすゞが頷いた


「ええ。命を救われたんです。
もう、お出会いする事もないかと
そう思っておりましたのに…ッ。
きっとこれも、神様が繋いで下さったご縁」

向こう側から
手に包帯を巻いた杏寿郎が
男と共に戻って来て

「竈門少年、すまない。
待たせて…しま…、た??」


自分の方にフッと影が現れて

何かが飛びついて来て

殺気が無かったから 

反応が遅れてしまっていて

そのまま 飛びついて来た影に
身体に縋り付かれてしまった


「煉獄様!あの時からずっといすゞは、
煉獄様にお会いしとうございました。
どれほどまでに、今日と言う日を
待ち望んでおりました事か…」


/ 1961ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp