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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第47章 嵐、束の間の静けさのち嵐 前編



たまたま通りかがった
そこは山の街道の休憩所的な
ぽつんと1軒ある小さな団子屋で

杏寿郎は炭治郎に
ここで休憩をしようと持ち掛けて来た

寂れた場所にあるにしては
随分と店は賑わっている様子で

店の前に並んだ 長椅子は
多くのお客さんで賑わっていた


店先では
あちこちの客に呼ばれて


『おーい、お茶のお代わりぃ』

『はい、只今ッ』

『ねぇちゃん、この団子の皿
持って行ってくんな』

『はい。かしこまりました』

『団子の注文、頼みたいんだが…』

『はい、少々お待ちください』


看板娘らしき若い女性の店員が
客と客の間を忙しそうに行き来していた


「凄い忙しそうですね…」

「丁度、あそこが空いているな。
お嬢さん、
お邪魔しても構わないだろうか?」


団子屋若い看板娘に
杏寿郎が声を掛けると

その看板娘は杏寿郎の顔を見て

「あっ…!」

っと声を上げると


持っていたお盆を
地面に落としてしまった

看板娘が持っていたお盆には
お茶の入った湯飲みが乗って居て
それがお盆と一緒に落ちそうになるのを

「おっと、危ない。お嬢さん、大丈夫か?
火傷はしてないだろうか?」

その看板娘に掛らない様に
湯飲みの方向を杏寿郎が逸らせて
湯飲みが地面に落ちる前に受け止める

「煉獄さんっ、お茶…煉獄さんの手に
掛ったんじゃ…無いですか?」

その動きを見ていた炭治郎が
杏寿郎にそう声を掛けて
その手に零れかけていたお茶が
掛かったのではないかと気にしていると

「いや、竈門少年。
これぐらい大した事ではない。
お嬢さん。
少しばかり、井戸をお借りしても?」

店の奥から団子を焼いていた
この店に主人でその娘の父親
らしい男が慌てた様子で出て来て

「大丈夫ですかい?お客さんっ、
オイ。一体どうしたってぇんだ、
いすゞ…。
全く、お前らしくもねぇ…。
お客さん、すいやせんっ、
うちの娘の不注意で。
井戸はこっちだ、酷くならねぇ内に早く…」



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