• テキストサイズ

その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第47章 嵐、束の間の静けさのち嵐 前編


ーーーー
ーーー
ーー


「どうぞ、あげは様。
お茶、こちらに置かせて頂きますね。
それでは、私はこれにて…」

あげはの横にお茶を置いて
春日が下がろうとするのを
あげはが引き留めた

「あのっ、待って下さい。春日さん、
その春日さんにお礼を言いたくて。
その、昨日のあの羊羹も
そのお礼のつもりで、
杏寿郎さんと相談してた物で…。
ありがとうございます。
春日さんが杏寿郎さんに、振袖を
引き振袖にする仕立て直しの事を
お話して下さったとお聞きしたので…」

引き振袖と言う言葉が
あげはの口からでて
春日がああと言う顔をする

「ああ。引き振袖の話にありますね。
あれは、炎柱様が何とかして普通の
振袖を結婚式で着る方法は無いかと
私に仰られて。
ご相談をお受けしましたまでですので。
使用人として当然の事にありますから。
お礼だなんて、そんな…」

あげはが春日が淹れたお茶の
湯飲みを持って
その湯飲みの中に視線を移すと
そのまま 口を付けてコクンと一口飲んだ

「本来であるなら、
精々…掛下にする…ぐらいしか
私にも思いつきませんでしたし。
あの振袖に袖を通すのも、
その結納の一度きりで構わないと…、
私自身も思って居たので…」


「炎柱様が、仰られたのにありますよ。
あげは様にその振袖を、一度きりとは
言わずに、何とかして着れる内に
着せてやりたいと考えているんだと」


その春日の言葉に
じわっと目頭が熱くなって
自分の視界が涙で滲んでくるのを感じる


杏寿郎が そんな事を考えて

春日さんにあれこれ相談してたのか…


結納で着る機会を作ってくれただけでも


私にとって 十分だったのに


あの振袖は カナヲに引き渡す物だから

袖を切れないって事を知って居て


私が着れる内に…って そう考えてくれてたんだ


確かに私が振袖を着る事が出来る
最後の日が結婚式の当日だから


じんわりと あげはの胸の中に

杏寿郎への感謝の気持ちと


彼が愛おしいと思う気持ちが募る
/ 1961ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp