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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第7章 長い一日





「杏寿郎、杏寿郎…。起きなさい、杏寿郎」



誰だ?俺の名を呼んでいるのは?
俺は 死んでいるのだろうか?
それとも生きているのだろうか?
ここはどこだ? 何も見えない
あるはずの痛みも感じない

ここは黄泉の国なのか?

ーー母上 俺はちゃんと
やれただろうか?
やるべきことを 果たすべきことを
全う出来ましたか?

胸の中で 亡き母へ問いかける


「杏寿郎……、まだ、
残っているのではないですか?」


母が問いかけて来る声が聞こえた

残っている?俺の果たすべき…
やるべき事が?
心残りがあるとするのであれば

それは…

「戻りなさい。杏寿郎…、
炎柱としての使命ではなく。
1人の人として、煉獄杏寿郎として
果たしたい事の為に…」

炎柱ではなく
1人の人間として

俺の果たしたい事…

「しかし、母上。それではいつかの
母上とのお約束を…」

決して忘れる事なき様にと
言われた母との約束を
違えてしまうのでないかと
心配になってしまった

「自分の大切な人、1人、
守れなくてどうしますか?」

姿は見えないが 母の笑った顔が
…見えた気がした



目を覚ますと ぼんやりとした
視界に白い天井が見えた
無機質な作りの天井と
白い壁と薬品の匂い

どうやら俺は 
…まだ生きているらしい

先程の夢でも 
母上に追い返されてしまった


俺は 生きているのだな…
あれだけの傷で…
良く命があったものだ

ガバッと体を起こすと
目の前に胡蝶の姿があった

「彼女は!!あげはは?」
「お、お目覚めですか?煉獄さんっ、
体はまだ動かさない方がいいですよ?」

起き上がれる状態ではない
杏寿郎が起き上がったので
しのぶは面食らって返事を返した

「胡蝶!彼女は?無事なのか?」
「私を見たら分かるじゃないですか。
落ち着いて下さい」

確かにあげはの身に何かがあれば
胡蝶がこんなに落ち着いては
居られないだろう

俺は目覚めた途端にビンタでも
食らってるだろう

「彼女は、どこにいる?」
「あげはさんなら、
隣のベットですよ」

私が邪魔で見えませんねと
立っている位置をずらして
隣のベットを見るように促した


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