第47章 嵐、束の間の静けさのち嵐 前編
「違うな、竈門少年。
俺は、あげはの事を愛しているんだ!」
「だったらあげはさんの事
信じたらいいんじゃないんですか?
昨日の事といい、
今日の事もですけど…その」
炭治郎の言葉に杏寿郎が
はぁーーとため息をついて
「竈門少年…、君の言う通りだな。
大人気ない事ばかりしているのを、
君に見られてしまっているな!!」
「でも、昨日の事もさっきの事もですけど。
煉獄さんがあげはさんが好きで好きで
仕方ないからそうなってるんだって、
俺は匂いで分かるんでいいんですけど」
そう心配そうにして炭治郎が尋ねて来て
「ちゃんと、戻ったらあげはに謝る。
身に覚えのない疑いで、
嫉妬してしまっていたからな」
「その、俺から言うのは変なのかも
知れないんですけど、
あげはさんからもその
煉獄さんの事が好きって匂いしてます…よ?」
その炭治郎の言葉に杏寿郎が
ははははははと
大きな声で笑いだしてしまって
「大丈夫だ!竈門少年、
それは俺も知っている!!
俺とあげはは相思相愛だからな!!
俺が嫉妬したのは、過去なのかも知れん」
杏寿郎の言葉に
炭治郎が目を丸くさせて居て
「少なからずに…、は
不死川に想いを寄せていた事が
過去にあったのだろうなと、
俺が感じ取ってしまっただけの事だ。
情けない限りだな…、
俺はどうにもあげはが絡むと
狭量な男に成り下がってしまう様だ。
全く持って、恐ろしくもあるがな」
「煉獄さん…」
そうは話しながらも
煉獄さんは走る速度をドンドンを加速する
「竈門少年!全集中の呼吸を深めて
意識を足に集中!!」
ドンと杏寿郎の周りに
炎が渦巻くのが見えて
炭治郎はあの時列車の中で
杏寿郎が移動した時の
あの速さを思い出した
「ハイ!煉獄さん!!」
すぅうううぅぅっ
言われるままに 杏寿郎の真似をして
炭治郎も全集中の呼吸を深めて
あげはから教わった方法で
血流を足に集中させる