第47章 嵐、束の間の静けさのち嵐 前編
「杏寿郎さんは…、
私に言われたかったんだけろうけど…?
その、私が好きなのは不死川君じゃなくて
杏寿郎さんだけだよ…的な事を。
言われたかったんだろうなぁ…と言うのは
気が付いてたんだけども、その…」
「あげは様は、ご自身の
お気持ちを言葉にされるのは、
苦手であられるご様子。
炎柱様は、
愛情表現が過度にあられますから。
あげは様から、そう仰られたのであれば
きっとお喜びになられるかと。
殿方と言うのは、
単純な生き物にありますから」
「えっと、はい。その、かなり
苦手…だったり…、そう言うの
言うのが…したりとかします」
そう言ってあげはが
ツンツンと自分の両手の
指と指の先を合わせた
「ですからにありましょう。
あげは様のご性分を
ご存じにあられますからこそ、
そうして貰いたいと言う、
炎柱様なりのアピールかと
春日は、その様に捉えましたが。
今、お茶をご準備致しますね…」
ーーー
ーー
ー
炭治郎は走りながら
少し前を走る杏寿郎の後姿を見ていた
煉獄さんから 嫉妬の匂いがする
炭治郎は縁側でのあげはと不死川の
2人のやり取りを思い出していた
あの場にいた俺も
見ていて気が気では無くて
でも あげはさんは不死川さんの事…
拒んでた感じだったのに…
「あの…煉獄さんッ」
「竈門少年、言ってくれるな。
俺も、らしくないと思って居る。
言いがかりでしが過ぎない、
あげはの気持ちの在処など、
疑うまでもない事だ。
だが、俺は…
嫉妬してしまって居るんだ」
「煉獄さんは、あげはさんの事が
とてもお好きなんですね!
でないと、そんな風に
思わないと思います。俺」
そう炭治郎が真っすぐな瞳を向けて来て
あげはが好き…
ああ 俺はあげはの事が好きだ
とても 好き?
好きなんて感情では
収まり切らない程に 好きだ 彼女が