第46章 蝶の憂いと私刑執行?
「うぉおおおおっ!!」
そのまま力任せに自分の木刀を振りぬいて
炎の虎が地面から空へと舞い上がる
「凄い…、あげはさんのあの
水車の威力もだけど、煉獄さんも
あれを受け止めてる…」
「馬鹿言ってんじゃねぇぞ、アレ…。
煉獄だから、
受け止めれる様なもんじゃねぇかよ。
アイツ、いつの間に、
あんなもん…
身に着けてやがったんだァ?」
そのまま炎虎の猛火の勢いで
弾き飛ばされた身体をあげはが空中で翻すと
ふんわりとゆったりと舞い降りて来て
ふわっと 重さの無い様な音で着地した
「流石だな、あげは!
前に受けた時よりも、各段に
型に磨きが掛かって居たぞ!
押し負けるかと思ってしまった。
危なかったな!
ははははは、見事だ。
それでこそ、俺のあげはだな!」
「杏寿郎、人前にあります」
素直にそれを褒めて来る杏寿郎に
あげはが恥ずかしそうにして返した
「ハッハッハハハハハッ!
細かい事は気にするな。
して、何故君と不死川は、
手合わせをしていたのだ?」
「別に…、どうでもいいだろうがよ。
俺は、おはぎの後の腹ごなしだァ。
深い意味なんて、なんもねェよ。
じゃあな、煉獄。帰るわ。邪魔したァ」
そう言ってそのまま
逃げる様にして炎屋敷を後にして
「何、やってんだァ?俺はよォ」
しばらく歩いて不死川がそう漏らした
「不死川君。良かった、追いつけた。
これ、残りのおはぎ。春日さんが、
不死川君にって包んでくれてたの」
あげはが不死川を
慌てた様子で追いかけて来て
呼び止めるあげはの声に
不死川が歩みを止めた
「ったく、律儀なやつだなお前ェはよォ。
俺の事なんて、
イチイチ構ってんじゃねェ。
俺にそうして、構ったりしてっと…。
襲われんぞォ、俺に。気ィ付けとけや。
っと、お前…何でそんな急に
強くなってやがるんだァ?
ふざけてんじゃねぇぞ。
前までそこまで、
強くなかっただろうがよ!」