第46章 蝶の憂いと私刑執行?
炭治郎が木刀を取りに走って行って
あげはが不死川の方へ向き直ると
玄関を方を指さしながら尋ねた
「ねぇ、履物、あっちでしょ?不死川君。
自分ののついでに取って来てあげるから。
その間、首でも洗って待っててくれる?」
「言ってくれんじゃねぇかよ、
てか、何で突然キレてんだァ?お前。
だが、お前から
手合わせの申し出なんて滅多にもねェし。
今日は、ついてらァ。こらァ、三文
以上の得ってもんだろーがよ」
あげはに言われて
木刀を持って戻って来たはいい物の
これから始まるのは単なる手合わせではないと
その震える空気から炭治郎も感じ取って居て
煉獄さんっ 早く戻って下さい
内心炭治郎は気が気でなかった
けど…
禰豆子の事をあげはさんが
本気で思てくれていて
不死川さんの行動を
ここまで怒ってくれているのは
俺からすれば嬉しいけど…
「はい、これ、
不死川君の草履。ここ置くよ?」
縁側に腰を掛けて
並んで座って草履を履くと
そのまま 中庭を進んで行く
お互いに距離を置いて
木刀を構える
ゴクリと炭治郎はその様子を
固唾を飲んで見守っていた
が その次の瞬間には
そのどちらもがその場所にはおらず
中庭のあちこちから
閃きと木刀の打ちあう音がする
速いっ 速過ぎる…
どこだ?どこに…二人は?
いや 待て… 見える… 凄い速さだけど
目で 追え…てる
ガンッ あげはの振り下ろした一刀を
不死川が木刀で受け止める
「んな、太刀筋じゃ、俺の首は取れねェぞォ!
威勢が良かったのは、口だけかァ?あげはァ!」
ヒュンッと弧を描いて繰り出された
不死川の一撃を
ひらっとあげはが空中で身を
ひるがえしながら躱して
そのまま それを追うようにして
二撃目 三撃目と襲い掛かる
不死川からの追撃も
そのままふわふわとした動きで躱して行く