第46章 蝶の憂いと私刑執行?
ガラッと襖が開いて
「邪魔をするぞ。
ん?胡蝶は帰ったのか?」
「れれ、煉獄さんっ?
あの、煉獄さん今の話って…」
「今の話、俺は何も聞いてないが。
何か聞かれたら不利益でもあるのか?」
杏寿郎には蜜璃との会話は
聞こえて居なかった様で
2人して内心胸を撫でおろしていた
「女同士の会話でありましたから…、
ちょっと…と思ったまでですので、
お気になさらず。杏寿郎さん。
しのぶちゃんなら、
ちょっと前に帰った所にありますよ?」
「そうか、
なら走って追いかければ間に合うな!
邪魔をしたな、甘露寺、あげは、
ゆっくり女同士の話に花を咲かせてくれ」
「ああ、煉獄さん、
私もそろそろお暇させて貰います。
何時、お仕事の
呼び出しがあるか分からないし。
ここに居たら楽しくて、いつまでも
お話ばっかりになっちゃいそうだから…」
「そうか、甘露寺。
またいつでも泊まりに来てくれ!
ではな、俺は胡蝶に
伝え忘れた事があるから、すまんな」
そのまま 杏寿郎は
しのぶを追いかけて家を出て
蜜璃も慌ただしく帰ってしまった
しーんと急に静かになって
「あ、蜜璃ちゃんに渡し損ねちゃったな。
用意してたやつ、まぁ、
今日じゃないとダメって事はないけど。
あ、今の内に明日の、
荷物の用意しとこうかな?
杏寿郎の実家に行くんだったら…
必要な物を纏めて置かないと。
その前に自分の布団を、あっちの
元の部屋に戻さないと…」
よいしょとあげはが
畳んだ布団を持ち上げて
普段寝起きしている杏寿郎の部屋の
押し入れの中に戻した
その時に 文机の所に
出しっぱなしにしていた往診鞄が目について
「あ、昨日慌ててたから、これ
出したまんまにしてた…んだった。
乳鉢…戻して置かないと」
そう言って昨日使用した乳鉢を
もってアルコールで綺麗に拭き取ると
その乳鉢を鞄に戻そうとして
違和感の様な物を感じた
「あれ?乳鉢しか使ってないのに
若干中が…乱れてる様な…気がする」