第46章 蝶の憂いと私刑執行?
「不死川さんは、ご存じですよね?
あげはさんが使う、呼吸を混ぜる使い方」
杏寿郎に尋ねたのに
隣に居たしのぶがそれに返事をして来て
「ああ、アイツの使う
妙ちきりんな呼吸なら知ってんが。
あの呼吸が
どうかしたってぇのか?」
複合呼吸を見た事がある不死川に対して
杏寿郎が二段呼吸について説明をする
それに付け加えてしのぶが
その副作用とその抑え方を説明した
「で、後数日で俺に、
その二段呼吸つうのを
どうにかしろつー話かァ?」
「俺は、一刻も掛らなかったぞ?不死川。
俺の見立てだと、不死川、君も
一刻もあれば十分だろうからな!
不死川ほど、呼吸を極めて居る者であれば
その域に達するのも容易かろう」
「ちょ、おまっ…バカッ、
恥ずかしい事言ってんじゃねぇぞ?
ふざけ腐りやがってェ。俺ァ…別に…。
んなもん、当然だァ…」
あらあら まあ
不死川さんが照れてる…って事でしょうか?
煉獄さんは褒め上手ですから
あの 不死川さんも煉獄さんには
敵わないと言う事でしょうかね?
「ニヤニヤしてんじゃねェぞ?胡蝶」
「あら?顔に出てましたか?
それはすいません。
私とした事が、うっかりです。
でも、煉獄さんは不死川さんとも
お話があるんではないですか?
私は、お邪魔になってもいけませんし。
その間にあげはさんと
ちょっと話をして来ます」
しのぶがそう言ってソファから
立ち上がると小さく杏寿郎に頭を下げた
「春日、胡蝶を案内してやってくれ。
あげはなら、甘露寺と一緒に
俺の部屋の向かいの
板の間に居るだろうからな」
「では、胡蝶様、ご案内を致します」
ーー
ーー
ーー
蜜璃と部屋で談笑していると
襖の向こうから春日の声がして来て
襖をこちらから開くと
廊下には春日が立って居て
その春日の身体の向こうに
しのぶの姿があった
「甘露寺さんも炎屋敷に?
先ほど、不死川さんもお越しでしたし。
煉獄さんのお家は、千客万来ですね」
「しのぶちゃん…、杏寿郎さんとの
話は終わったの?」