第46章 蝶の憂いと私刑執行?
「あげはが、
俺の求婚を受け入れた後も
それ自体に積極的に
ならなかった理由がそれだと?
だが、…約束してくれたんだが。
あげはは俺と、俺達の幸せを
望んでくれている人の為にも。
幸せになるんだと」
ふっと杏寿郎の言葉にしのぶが
自分の口元を押さえて笑い出してしまって
「そうでしたか、でしたらもう
私の話は全て忘れて頂いて結構です。
私の取り越し苦労に終わって安心しました。
やっぱり、煉獄さんは煉獄さんですね」
そうしみじみとしのぶが言うと
再び冷めた紅茶のカップを傾けると
そのカップを手に持ったままで
俯いてしまった
「胡蝶…?」
「煉獄さん…、あげは姉さんを
お願いします。煉獄さんになら
お譲りしてもいいなと、思ったからです。
他の男性なら、私だって許可しません。
煉獄さんだからです。
煉獄さんの罪は重いですよ?
私からあげは姉さんを
奪って置いて、ちょっとやそっと
幸せにした位じゃ、許しませんから」
その嫌味の様な言葉を聞いて
思わず杏寿郎は吹き出してしまって
「ぶっ、…ははははは、っと
いや、笑ってはならんな。
すまなかった。
胡蝶。だが、
君らしいと思ってしまってな。
俺は罪深い男か、成程。
なら、君の望み通りにその
罪滅ぼしをせねばなるまい。
俺があげはを、
必ず幸せにするとしよう」
「彼は…、強い…ですよ?」
僅かにそのしのぶの声が震えてるのを
杏寿郎の耳は聞き逃さなかった
「だろうな。それは承知の上だ。
だが、それが負けていい
理由にはならんからな!
胡蝶、君が俺に
あげはを託して良かったと
そう思えるようにしよう。
あげはを、彼女をしがらみの鎖から
解放してやれるのも、
他の誰でもない、俺だけだろうからな」
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幸福恐怖症の話 ②
こちらの克服法を
・幸せになる事を許す
・幸せである今に感謝する
・自己を否定しない
・前向き思考になる
・周囲に目を向ける
・人の幸せを助ける
等によって、幸せの受容を図りますが。
ここ近くの章では特に
周囲に目を向けるで周囲が夢主の
幸せを望んでくれてると言う形を
とても色濃く出してあります。
自分がそうなんだと、知らずに
居られる方も居られるのかな…とか。