第46章 蝶の憂いと私刑執行?
しのぶの言葉に杏寿郎が眉を顰めた
「俺の意向の確認?」
しのぶは結納の件で
炎屋敷を訪れたのではなく
そのもう一つの用事の件で
わざわざ ここまで
足を運んだ様だった
「そのー、野暮な
質問なのは理解しているのですが。
今の、数日の我慢が
相当堪えておられるんじゃないかと
私は考えておりまして…ですね。
ああ、いえ、その。
決して私が言いたいのはですね、
煉獄さんの堪えが無いとか
そう言う意味では無くてですね。
その、そう言った時期でも、
あげはさんが容赦なく無自覚に
煉獄さんを煽っておられないかと。
私はそちらを心配してるんですよ。
はい、それだけなんですが」
「胡蝶」
「はい?何でしょう?」
真剣な表情の杏寿郎と裏腹に
ニコニコと笑顔をしのぶが浮かべていて
「楽しんでないか?」
「はい?何の事でしょうか?」
そう言ってニコニコとした
表情をしのぶが崩す事なく
目を開くとスッとその目に影が降りる
「その、もうすぐあげはさんの、
月の物も終わる頃ですので。
うちで炭治郎君達を、
当日までお預かりしようかと。
その方が、遠慮なく…。
煉獄さんも、あげはさんとの、
二人だけのお時間を
満喫出来るかと思いまして」
そう言ってぽんとしのぶが両手を合わせて
ね?と首を傾けながら尋ねて来て
確信犯だろう?と
杏寿郎は思わずに居られなかったが
一体 胡蝶は何を考えている
目の前のしのぶは
にっこりと微笑んでいて
表情を崩さない
笑っている笑顔の奥の
その紫の瞳の奥で
何を考えているのやら…だな 全く
「俺に、恩でも売るつもりか?胡蝶」
「恩を売るつもりはありませんが、
こちらをお買い上げして
頂けませんでしょうか?
丁度、港町での任務でして、
こっそりとある筋の方から、
分けて頂いた物なのですが…。
近い内に煉獄さんに
必要になるかと…思いまして」
そう言ってしのぶが
自分の荷物の中から
海外製のチョコレートでも
入ってそうな箱を数個取り出して来て