第45章 蝶の跡は月夜に舞う
「ああ、そうだったんですね。
それはおめでとうございます。
はい、煉獄さんの
お父さんにはお伝えしておきます。
あ、でも俺からで良かったんですか?
煉獄さんからでも…」
「うん?それもそうなんだけどもね?
でも、炭治郎君から言って貰った方が、
きっかけになっていいかなぁって」
「ねぇねぇ、あげはちゃん、
あげはちゃんは、
結納の時は振袖なのかしら?」
結納と言う言葉があげはの口から出て
蜜璃がそう問いかけて来た
「う、うん。結納は振袖のつもり。
そうなの、だから…着る前に。
今日の内に振袖の、
陰干しして置かないと…とは
思ってるんだけどもね」
「だったらもしかして、
今からそのお着物を
干すつもりだったりするかしら?
見てみたいわ、あげはちゃんの振袖。
ねぇ。見せて貰っても、いいかしら?」
蜜璃があげはの振袖を見たいと言って来て
「え、あ、うん。どうせ干すから
出すつもりで居るから…。
見せるつもりがなくても見る事になるけど」
私は元々休みの日は洋装の事が多いから
そんなに沢山着物は持ってないんだけど
それでもと思って 数枚はあるけど
振袖は着る機会がそんなにないし
それこそお正月の初詣とかかなぁ…
板の間の部屋の洋服箪笥の
下の引き出しに着物は入れている
着物用の桐のタンスを
わざわざ用意する程
着物持ってないもんな私
その代わり ワンピースなら
洋服ダンスに沢山入ってるんだけどなぁ
でも ここで過ごすなら
…着物の方がいいだろうしなぁ
「ここにしまってるんだけどね、着物」
「でもでも、あげはちゃんって
あんまり着物姿って見ない気がするわ、
お出かけの時もワンピースが多いものね。
あ、でもここでは、着物よね?」
「うん、そうなんだよね、
ここでは着物着てるけど。
そんなに枚数ないから、普段も
着物なのならもうちょっと
買ってもいいかも知れないんだけど」