天谷奴零に騙されたい【ヒプノシスマイク】【短編集】
第3章 白膠木簓のスーツ【微エロ、嫉妬】
何度かご飯を重ねて
お互いに友人と言えるくらいになった頃
盧「そろそろ言うてもええんやないか?」
簓「でもなぁ...いざ言うとなるとどーやって食事に誘ったらええか分からんようになってしまうんよ...」
盧「普通に誘ったらええやないか」
簓「でもほら、年下の女の子やし!ええ店でスマートに告白したいやないか!」
盧「そないな事気にする子やないやろ?」
簓「簓さんが気にするんですぅ」
盧「はぁ...なら最初に会った店でええんとちゃうか?結構雰囲気のある店やったやろ」
簓「あー、確かにええかもしれんなぁ」
盧「いつまでもズルズル引きづってると取られてまうで」
簓「せやな...よし!この白膠木簓!腹括ったで!!」
と堂々と言ったのはいいが
いざ電話をした時の簓は......
_______________
『それでね?って、簓聞いてる?』
簓「ん?聞いとる聞いとる」
『もう酔っちゃった?まだビール1杯じゃない』
簓「酔ったんとちゃうねん...なぁ」
『ん?』
簓「あんな、初めて会った時から思っとったんやけど...」
男「あれ?じゃん!こんな所で何してんだよ、男連れで〜」
『は?って、あんたなんでここに!?』
いざ告白を!と思ったところで邪魔が入ってしまった
聞けば男は東京に住んでいた頃の知り合いらしい
高校まで一緒だったんだとか
『もう、またナンパでもしてたの?』
男「違うって、ただの仕事!んでいい感じの店があったから入ってみたってだけ」
『偶然ってあるんだね〜』
男は自然と彼女の隣に座り
親しげに話している
今自分が告白しようとした女にだ
簓「......」
『あ!ごめん、簓!話の途中だったよね?』
簓「あぁ...」
彼女は真っ直ぐな目でこっちを見てくれる
だがその目に無性に腹が立ってしまって
気づいたら彼女の腕を掴んで男の前に金を置いて
店から足早に出ていっていた