天谷奴零に騙されたい【ヒプノシスマイク】【短編集】
第3章 白膠木簓のスーツ【微エロ、嫉妬】
『ちょ!簓!?』
簓「うっさい、黙って着いてきぃ」
『!!』
いつになく怒っていた
掴まれた腕は痛みを訴えるが
それを言える状況ではなかった
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連れてこられたのは簓の住む部屋だった
乱暴にソファに押し倒される
『痛っ...』
簓「惚れとるんか?」
『え?』
簓「あの男に惚れとるんか?...いや、アンタが惚れてなくても、あの男は確実にアンタに惚れてるで」
『た、確かに、高校の時に告白されたけど...断ったよ?』
簓「告白されとるんやないか......断ったのにまだベタベタしてきよって...アンタもアンタやで」
『い、いた...腕痛いよ、簓』
簓「アンタは可愛いんよ...女の子なんや、こーしてしまえばすぐ動けんようになってしまう」
腕を押さえつけ首元に顔を寄せる
『んっ、いや、簓...!!』
首元の一部を強く吸うと赤い跡が出来た
簓「なぁ、アンタは......っ!」
そこで簓は気づいた
自分は何をしているのかと
いくら腹が立ったとはいえ
まだ告白もしていない女の子を家に連れ込み
乱暴に押し倒してキスマークまで付けて
簓「す、すまん!いや、こないなことするつもりは!!」
『簓...』
簓「な、なんや?」
殴られる事くらいは覚悟した簓だったが
彼女は殴ることも怒ることもしなかった
『簓、嫉妬してくれたの?』
簓「へ?」
『私がアイツと話してたから、怒ったんでしょ?』
簓「ま、まぁそうやな」
『やっぱり、嫉妬してくれたんだ!嬉しい...』
簓「え?...え?ちょっと待ってな?...ん?」
頭が追いつかない
嫉妬してくれて嬉しい?
それはつまり...
『私は簓のことが好きだから、嫉妬してくれて嬉しいよ?』
簓「さ、さらっととんでもないこと言うな...」
『...簓は?嫉妬までして、押し倒して、キスマーク付けて...嫌いとは言わせないんだからね?』
簓「す、......好き、やで?」
『あはは、歯切れ悪いなぁ』
簓「し、仕方ないやろ!頭が追いついてへんねん!」
『どーやって伝えるか迷ってたから言えてよかった』
簓「こ、こっちはてんやわんややで...」
『ん、でも私の事好きなんでしょ?』
簓「好きや」
『惚れたが最後、だよ?』
女の子は強い
と悟った簓だった