第3章 練習
「それじゃ次は、もう少し長く飛んでみよう。」
「うん!!」
私はもう一度ほうきにまたぎ、体制を整える。
(さっきみたいに、集中して……よしっ!)
「それっ!」
………
「あ、あれ?!」
さっきは飛べたのに、今度は全然浮かなかった。
「うーん…やっぱりさっきのは、まぐれ…だったのかな?ははは…。」
私は少し残念に思いながら、そう言った。
(さっき飛べたから、次も上手くいくと思ったのにな…。)
「いや、まぐれなんかじゃないよ。
たぶん、飛べなくなったのは疲れが原因じゃない?
だから、そんなに落ち込むな?」
白井くんは、私の気持ちを察してくれたのか、優しい言葉をかけてくれた。
「うん…、ありがとう。」
「とりあえず、今日はゆっくり休んでまた明日から頑張ろ。」
「うん!」
(白井くんの言う通り、明日ならまたできるようになるよね。
うん!気持ち切り替えて、明日から頑張ろ。)
私はそう心に決め、寮に帰って行った。