第3章 練習
「すごいすごいすごい!私、飛んでる~~!!」
私は嬉しくて嬉しくてたまらなかった。
でも喜びもつかの間、
「ぅ、うわっ!!」
ドサっ
「いてて…。」
私はバランスを崩して、地面に落ちてしまった。
「おい、大丈夫か?!」
私が、ほうきごと落ちたのが心配になったのか、白井くんが私のそばに来てくれた。
「うん、大丈夫。白井くん、私…飛べたよ?」
「あ、あぁ…!そうだな。やればできるじゃん。」
「うん、白井くんありがとね!」
「べ、別に…。てか、何度も言うけどお前のためじゃないからな!」
(白井くん、また言ってる…。私が飛べた時、一瞬嬉しそうな顔してたと思ったんだけどな…。)
白井くんと仲良くなるのは、まだまだ先かなと私は思った。
「それより、怪我はないか?」
白井くんは私に尋ねる。
「うん、大丈夫。」
(…と言っても、お尻が痛いかも…。)
白井くんの前で、お尻をさするわけにはいかないので痛みを我慢する。