第2章 ペア
「なんだよ、げっ…って。」
「うっ……。どうせ、笑いにきたんでしょ?
私はあんたの力借りなくたって、飛べるようになってみせるんだから!」
「教えるより、見た方が早いかな…。」
「…って、ちょっと聞いてるー?!」
私のことはお構いなしに、ぶつぶつと何か言っている。
白井くんは人の話を聞かないっていうか、
私の話の途中に、割り込んでくるっていうか、
(よく分かんない人だなぁ…。)
「おい、お前。」
「ん?」
「いいか?
お前みたいな頭の容量少ないヤツは、見て覚えたほうが早いんだ。」
「い、今…なんて…。」
イラっとしたが、ここでケンカになっては最初と同じだ。
ぐっと怒りを堪える。
「オレが今、飛んでみせるから見てな。」
白井くんは私にそう言うと、ほうきにまたいだ。