第2章 ペア
白井side
ペアが決まってから、一週間が経過していた。
(なんで、オレのペアがアイツなんだ…。)
オレはまだアイツを認めた訳じゃない。
ペアだと思ったこともない。
…というか、思いたくない。
卒業がかかってるっていうのに、アイツは浮きもしないなんて、一体今まで何やってたんだ?
「光~、お前あの子に厳しすぎじゃね?」
「そうか?」
(オレの友達は、みんなそう言う。
だけど、オレはアイツの面倒なんか見てる暇まんてない。)
「今年の実技テスト、1人じゃ絶対合格はできないぜ?
それ、分かってんのか?」
「……。」
「おい、光~。聞いてんのか??」
「…アイツ、いつも練習してんのか?」
友達の言葉よりも、オレの目に飛び込んできたのは、
転んで傷だらけになりながらも、飛ぶ練習をしていたアイツだった。
「あぁ、宇宙さん?
いつも、遅くまで練習してるんだぜ?」
「ふーん…。」
(って、あれじゃ飛べる訳ないだろ…。)
「はぁ…。」
「どうしたんだ、光。ため息なんかついて。」
「悪い、先帰っててくれ。」
オレは友人にそう告げると、その場をあとにした。