第2章 ペア
「白井くん、何番?」
「18だけど。」
白井くんはくじを私に見せながら言った。
「18?!んじゃ、白井くんがペアだ!」
(良かったぁ~、上手な人がペアで。)
「これから、よろしくね!白井くん。」
「…うん、よろしく。」
白井くんは、ぺこっと頭を下げて言った。
そして私は早速、白井くんにお願いした。
「あの、白井くん…。突然で悪いんだけど、ほうきの飛び方教えてくれない…?」
「ほうきの飛び方…なんで?」
「いや、私未だに飛べないからさ…。だから、おねが…「いやだ。」
(え…?)
私の言葉をかき消すように拒否る白井くん。
私が白井くんにお願いしてるのに、言葉を遮られてしまった。
「この間、誰かに教えてたじゃん!
何で私はダメなわけ?」
私の言葉に白井くんは、吐き出すように答えた。
「このクラスで、ただ1人飛べないのって、もしかしてあんた?
卒業がかかってるテストなのに、未だに飛べないなんて、浮かれてるんじゃないの?」
「う、浮かれてないかいないし!」
「じゃあ、なんで飛べないの?」
「それは…。」
私は言葉を詰まらせる。
そんな私に白井くんは、
「オレは、飛べないやつのお守りをしてる時間はない。
本番では、オレの足を引っ張らないように努力するんだな。」
(え、え~~!?)
そう言うと、どこかへ行ってしまった。
「な、なんなの~!?」
私は大声で叫ぶ。
気がつくと、他のみんなは外で早速練習を始めていたため、教室にいたのは私だけだった。