第1章 夢と憧れ
「おーい、星山。ぼーっとするな。」
コツンっ
「いたっ、…はーい。」
先生から軽く頭を叩かれた。
私が女だからか、手加減してくれた。
私はまた意識を集中させて、飛ぼうとする。
すると向こうでは、ほうきから降りた白井くんのまわりに、みんなが集まっていた。
「光(ひかる)~、お前スピード出し過ぎだってー。」
「先生、注意してたぞ。」
「え、そうなの…?分かんなかった。」
「白井くん、私にも飛び方教えて~!」
「あ、私も~!」
「いいよ。」
白井くんはすごいなぁ…。
いつもみんなの中心にいて、
何でもできるから、みんなから頼りにされて…。
(ちょっと、羨ましい…。)
私はそう思った。
そして、私は依然として飛べないまま、体育の授業は終わってしまった。