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【イケメン戦国】彩る電光石火な恋心💞

第1章 梅の様に恋をする love affair.H


『貴様らのほしいものを考えておく、楽しみにしておけ。』

信長は、そう言うと鉄扇をひらひらとさせた。
下がれと言う合図に、は頭を下げる。
静かに天守を後にすると、向かってくる光秀とかち合った。

『恋仲殿が、明後日には帰ってくるぞ。』

「本当ですか!」

『あぁ。』

万勉の笑みに、光秀は眼を細めた。

『秀吉と政宗の出迎えを、これから信長様と決める。なんせ年初めの勝ち戦だからな。お前も出迎えの晴れ着でも選ぶといい。』

「はい!」

は、ぱたぱたと小走りに天守を降りていく。
それはいつぞやとは違う明るい気を纏っていた。





「なんで会えないの?」

秀吉と政宗が凱旋して三日が経った。
なぜか、仕組まれているかのようには秀吉と全く会えていなかった。
は、秀吉の様子や会えないわけを聞くために、家康の部屋に向かい、薬草の仕分けを手伝っていた。


『戦の後処理やらで忙しいからでしょ。』

「でも、広間での食事もいないって変だよね?」

『…あの人が、溜まった政務をやらせてるからでしょ?』

「家康は、…秀吉さんに会ってるの?」

『…、うん。』

「元気だった?」

『…あんたの事気にしてた。』

「えっ。」

『あんたに早く会うためにって、寝る間も惜しんで頑張ってるよ。』

「そうなんだ。…会い、たいな。」

『明日は戦勝祝いの宴があるから、会えるんじゃない?』

「あっ、そっか!」

『…ったく、わざと距離を持たせるなんて悪趣味にも程がある。』

「え?なに?」

『いや、なんでもない。ほら、口より手を動かして。そこの薬草の仕分け間違ってる。』

「えっ、うわっ。ごめん。」


家康は、知っていた。
何故、これ程までに会わせないのかを。
それは、信長と光秀が決めたことで、宴の席で与える褒美となることを。

『せいぜい、着飾って喜ばせてあげなよね。』

「ん?」

『あんたは明日宴の支度に大変だと思うよ。』

「え?どういうこと?」

『…さぁ?』

「家康、なんか知ってるでしょ。」

『さぁ?』

「いえやす。」

『…薬草の仕分け、また間違ってる。』

「あ。」

家康の呟く言葉の謎解きを、翌日は身をもって知ることになる。






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