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【イケメン戦国】彩る電光石火な恋心💞

第1章 梅の様に恋をする love affair.H


『ほらっ。…こっち向け。』

秀吉は振り返るの腕を、自信の首に回し横抱きにして立ち上がった。

『お前ら、明日の軍義遅れるなよ。』

『へいへい。』『わかってます。』『善処しよう。』

『真面目に!』

『朝げの御声かけは、様のお部屋でよろしいですか?』

『…っ!三成、気遣いは有り難いが…』

『三成のくせに生意気。』

『姫、お休みなさいませ。ごゆるりと。』

「…皆、お先です。信長様。おやすみなさい。」

『あぁ。ゆっくり休め。』

『では、お先に失礼します。行くぞ。』

秀吉はを抱きながら頭を下げ、広間を後にする。

『また明日な。』

政宗が手をあげると、秀吉の肩越しには手を振る。
その姿を、信長、光秀、家康と三成は穏やかに見守るのだった。




『水飲むか?』

「うん。」

秀吉が入ったのは広間から離れたの自室であった。
湯のみに入った水をゆっくりと飲み干す。
いつもよりも、ほんのり赤い唇が水で艶めく。唇についた水滴を、秀吉は優しく指で拭う。

『なに、話してたんだ?』

「え?」

『随分楽しそうだったな。』

「…梅の花言葉。菅原道真公と梅の木の話。」

『あぁ、梅の木が道真公を追いかけたって話か。』

「うん。ふふっ。」

『なんだ?』

「そんな忠誠心が秀吉さんみたいだって、家康が。」

『…あいつ。』

「でも、信長様の想いに真っ直ぐに応えて信じる秀吉さんは、梅の木みたいだって思うよ。どんな場所にいても、信長様のもとに飛んでいくから。…悔しいくらいに。」

『お前の所にだって飛んでいくさ。何処に居たって必ず見つけだす。』

「ほんとう?」

『あぁ。俺に生きる意味を与えてくれた、俺はじゃなきゃ駄目なんだ。が、明日を生きる糧を俺に与えてくれてる。』

「買い被りすぎ。」

『そんなことない。…今だって、もう離したくない。』

秀吉はそう言うと、を抱き締めて褥にゆっくりと倒れ込んだ。

「秀吉さん…」

『愛してる。誰よりも何よりも。真っ白な清らかな心を持つ安土の麗しき姫君が。』

梅の花を照らす月明かりが、重なりあう二人に影を落とす。
紡ぐように、確かめ合うように、真っ白な心は、今宵も染められていくのだった。







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