第1章 梅の様に恋をする love affair.H
『菅原道真は、濡れ衣を着せられてしまい太宰府に送られてしまった。この時道真は、大切に育てた木々との別れを悲しみ、中でも大切に育てていた梅との別れを悲しみ歌にした。
春の風が吹く時、私がいる太宰府にお前(梅)の香りを届けよと。私がいなくなって、悲しくなったからといって、春を忘れてはいけない、と。』
「へぇ。菅原道真公って、自然が好きだったんだね。」
『すると、庭に植えられていた梅が自らの主人を追いかけ、空に飛び上がり太宰府に向かおうとした。梅の木は道真がいる太宰府まで見事たどり着いて、また一緒に居られるようになった。
…だろ?三成。』
『左様です。』
「道真公への忠誠心、からきてるんだね。知らなかった。」
『なんか、誰かと一緒だね。』
「誰か?」
『いるでしょ。忠誠心の塊が。』
『くくっ。家康。』
『あぁ、麗しき姫君と心を通わせた右腕かぁ。』
「そっ、それ!なんで知ってるの?」
『知らないやつなんて居ねぇぞ?』
『姫君はすぐ顔に出るからな。』
「えっ、家康。そう、なの?」
『俺に気かないでくれる?』
『秀吉様と様はお似合いですよ。』
政宗の作った甘酒を飲むの赤らむ顔が、更に色を増す。濡れた唇としっとりと汗ばむうなじ。潤み始めた瞳。
周りの男達は、更に酔わせたらどうなるか?と良からぬ思いを抱き始めていた。
『…甘酒、まだ飲むか?』
『なんか摘まむものをお持ちしましょう。』
『あんた、意外と酒強いんだね。』
「そうかなぁ。皆と話すのが楽しいからだよ。」
『ふっ。そのくらいにしておけ、お前達。姫の想い人が殺気だっては敵わん。』
「え?」
がそう口にするのと同時に、彼女の肩に腕が回り後ろから抱き締められた。
心が踊るような、そんな香りがした。
『あぁーあ。護衛のお出ましか。』
『政宗、家康。光秀。飲ませ過ぎだ。三成、早く止めてやれ。』
「秀吉さん…。大丈夫よ。」
『大丈夫じゃない。飲みすぎだ。御館様に許可をもらった。部屋に帰るぞ。』
『帰って何するんだ?』
『寝かせるんだよ!ったく、政宗は!』
『、立てる?』
「え、あれ?立て…、ない。」
『ったく、だから飲みすぎなんだ。家康、わかってるなら止めてやれ。』
『はい…。ちっ。』