第2章 運命
入室から約30分、伏黒君と五条さんは私の部屋をくまなくチェックしている。
『・・・そろそろ何か手掛かりとかって掴めましたか?』
何も言葉を発さず、ただひたすら手掛かりを探す2人に、痺れを切らし聞いてみた。
『そうだな…。なんとなく分かったような気がする』
『だねっ。』
伏黒君に続いて五条さんも答える。
『吉本って、何か肌身離さず持ち歩いてる物ないか?
ペンダントとかお守りとか、何でもいい』
"吉本の部屋の呪力の元は大体分かった。
だが、初めて会った時に感じたあの呪力…それを知りたい"
『肌身離さず・・・
あっ!!!そういえば、祖母から絶対に持ち歩くように言われて、常日頃必ず持っている物があります。』
そう言って学校のカバンをガサゴソと漁り、紫色の布地で纏われた小さな箱を取り出した。
『!!!』
『おっ!みーーーっけ!!』
""!!!すごい呪力だ!!!""
『小さい時、よく妖怪なのかお化けなのか分からないモノが見えたんです。
それをおばあちゃんに話したら、必ず肌身離さず持ち歩くようにとこれを渡されました。
ただ、またその見えてはいけないモノが見えるようになってしまったら、この箱を開けるように、とも言われたんです。
ごめんなさい、今まで忘れてしまっていました・・・』
『いやぁ〜見付かって良かったねえ!!
泉智ちゃん!それ開けてみてくれない?!』
五条さんはニヤリと笑みを浮かべ、私にそう言った。