第2章 運命
『そうですよね、開けないとですよね・・・。』
開けようとする手が震えてなかなか布が取れない。
『吉本、無理しなくていい。
五条先生開けてあげてくださいよ、可哀想じゃな…』
『伏黒君!!ありがとうございます!!!
でっでも、私、じっ自分で開けられるから平気です!!!』
食い気味に言ってしまったが、正直とても怖かった。
この箱を開けてもしもの事が起きたら…?!例えば白髪のおばあさんになっちゃうとか…?!?!
・・・ではなく、
自分に隠された"何か"が分かってしまうのが怖かった。
もしかしたら、今以上に辛い毎日を送ることになってしまうかもしれない。
私が求めている、"平和"はこの手で一生掴み取れなくなるかもしれない。
でも開けないといけない。
そう、今のこの状況を変えるためにも。
私はこの手で自分の運命を切り開かなければいけない。