第6章 甘い罠◎
『だっ誰?!』
『泉智はさ、俺に何をくれるの?』
そう言うと、その男は私の上に跨った。
『や…やめて…』
抵抗したいのに、手も足も動かない。
男は私のボディラインに沿って手を這わせ、耳から首にかけて愛撫する。
気持ち悪さから背筋に悪寒が走る。
『泉智美味しい』
そう言いながら、男は私の髪を撫でた。
『触らないで!!!』
私はたまらず大声を出す。
『そんな事言う悪い子にはお仕置きが必要だよね?』
ービリビリビリー
男は私のブラウスを力任せに破り、ボタンが飛び散る。
『やっやぁ…』
『泉智、黒い下着なんてエロ過ぎでしょ!
可愛い顔して、刺激的なんだねっ!』
『違う!離して!!』
『ねえねえ、俺のここ、気持ち良くしてくれない?
泉智の身体がエッチだから、こんなに大きくなっちゃったじゃ〜ん!
責任取って治してよ?』
そう言うと男は自身の欲望の塊を私の口に充てがった。
"気持ち悪い。吐き気がする…
絶対開けない…意地でも開けない…!!!"
ーバシッー
右頬に鈍い痛みが走る。
…口の中に広がる鉄の味…殴られたんだ…
『ねえ〜俺女の子にこんな手荒な真似したくないんだけど?』
それでも私は必ず助けが来る事を信じて、口を閉ざし続けた。
男は私の髪を掴み、顔を上げ、私の口に欲望の塊を充てがい続ける。
ーバシッー
痛い……
次は左頬を殴られた。
痛みのせいで涙が出る。
『え〜!俺女の子泣かせちゃったの〜?!
可哀想だよ〜』
そう言い男は不気味な笑みを浮かべながら、私の涙を舐める。
"気持ち悪い…"
意識はハッキリしているのに、身体の自由が効かない。