第5章 秘密◎
今日は残業が長引いてしまった…
"な~んでみんなこうもお仕事が出来ないのかな~?
僕を見習って欲しいよ"
呪術師界は常に人手不足。最近甚だしい。
生徒とは常に顔を合わせているが、前ほど絡む事も出来ず、任務ばかりの日々が続いている。
恵と野薔薇はいいとして、悠仁と泉智は頑張ってやっているのだろうか…
悠仁はいざとなれば宿儺が出て来るだろうけど、泉智は本人の力量に全て委ねられるからな〜。
まっ、泉智は自主練もしっかりやってるし、何より大真面目。
もっと伸びる、伸びるはず…
泉智、きみは僕の期待を裏切っちゃダメだよ"
・・・口角が上がってしまった。
"次の休みは可愛い生徒たちとご飯でも行くかなー!"
そんな事を考えながら風呂に向かっていると、知った顔が歩いてくる。
『おーーう悠仁!
こんな時間にどこにお出かけ?』
『いや、外の空気を吸いに出ただけっす』
『そっか!
じゃっ、明日に備えて早く寝なさ〜い!おやすみ〜』
『おっす』
いつもよりも明らかにテンションの低い悠仁・・・
大丈夫か?
失恋でもしたか?
なんで女物のハンカチ持ってた?
君が歩いて来たのは外ではなく、生徒の部屋が並ぶ廊下だぞ?
簡単なピースが散りばめられてるだけなのに、なかなかパズルは完成しない。
・・・謎が解けない。
「まっ、とりあえず風呂に入って寝よう~」
違和感を抱きながらも、僕はお風呂へと向かう。