第3章 宿儺◎
杉沢高校の一件から、1週間ほど経った。
未だに恵君は目も合わせてくれないし、会話も最低限。
どんなに謝っても許してもらえない。
"謝る以外って何か方法あるのかな・・・
私そんな悪い事しちゃった?"
毎日そんな事が頭をグルグル回り、集中力に欠ける日が続いてしまった。
ーコンコンッー
そんなある日の夜、寝る支度を全て終え、ベッドに入ろうとした時、誰かが部屋を訪ねてくる。
『はーーい!』
"こんな時間に誰だろう…"
ドアを開けると、そこにはサングラスをかけた五条先生がいた。
『お疲れサマンサー!
なーんか眠れないから来ちゃった!
最近元気ないよね?どしたの??』
『五条先生お疲れさまです。
元気ないですか?そんなつもりないんですが…』
『よしっ!!じゃあ寝るまで僕とお話しよう!』
『・・・先生お暇なんですよね?』
『バレちゃった?
まあいいじゃんいいじゃん、お喋りしようよ!』
私と五条先生はベッドに腰掛ける。
『宿儺とのことは聞いてたけど、恵が口利いてくんないのか。
それは困ったね!』
『・・・先生、全く困ってる様子がないのですが…』
真剣な話をするにしては、ふざけたトーンの先生に私は思わず笑ってしまった。
『それよりさ、泉智は宿儺とのキスってどうだったの?』
突然五条先生が私に向き合い、真剣な顔で聞いてくる。