第3章 宿儺◎
ー杉沢病院ー
生徒たちによると、虎杖君はここにいる可能性が高いらしい。
私と恵君は受付へと急ぐ。
・・・すると、偶然そこには虎杖君の姿があった。
『虎杖悠仁だな。
呪術高専の伏黒だ』
『呪術高専の吉本です。』
『悪いがあまり時間がない』
恵君はそう言って虎杖君と話し始めた。
彼は確かに百葉箱の中から特級呪物を持ち去っていた。
しかし、彼が持っていたのは箱だけで、宿儺の指は今夜先輩たちが呪符を剥がすことになっているらしい・・・
『ヤバいなんてもんじゃない。
ソイツ死ぬぞ』
私、恵君、虎杖君で学校へと走り出す。
"どうか無事で有りますように…お願い間に合って!!!"
学校に着くと、校舎はかなりの呪力に包まれていた。
"さすがは特級呪物、普通の呪力ではない!!!"
『泉智、お前は虎杖とここに残れ』
『えっ?私も行くよ!恵君一人で行くなんて危険過ぎる!』
『俺は大丈夫だから。頼む、残ってくれ』
『分かった・・・』
"術式を使いこなせていない私は、まだ実戦には向いてないか…。"
少しへこむなぁ、、なんて考えていると、隣で虎杖君がブツブツ話し始める。
『何言う通りにしてんだ、俺は』
『へ?虎杖君っ?!?!』
私が気付いた頃には、虎杖君は4階まで飛んでいた。
"人間の身体能力じゃないでしょあれ!!"
私は階段を登り、恵君と虎杖君の姿を探す。
呪符を使い、山ほどいる呪霊たちをこれでもかと言うほど祓った。
そして、2人の姿を見付けるも恵君が呪霊の手によって窓から放り出された。
それを追う虎杖君・・・
"あの恵君がやられるなんて相当。。
虎杖君に至っては呪力もない。私が行かずにどうするの!少しでも役に立てるよう、命張らなきゃ!!!"
私は2人がいる所へ窓から飛び降りる。