第8章 後遺症◎
私は両手に思い切り力を入れ、跨っているサイドポニーテールの男を突き飛ばした。
男が後ろに倒れた隙をついて、走った。
そして、お腹に力を入れ、大きな声を出す。
『助けて!!!お願い!助けて!!!
恵君!虎杖君!釘崎さ…』
"痛いっ…!!!"
一瞬のことで状況がすぐに把握出来なかった。
目の前にサイドポニーテールの男がいる…
右腕に激痛が走る。
見ると、腕を刀が貫通していた。
目の前に突然現れたサイドポニーテールに刺されたようだ。
…先回りされた?
あまりの痛さに声を失い、私はその場に倒れ込む。
『そんな事想定内だから。
術式が完璧に解けてないのに走るなんて、本当馬鹿だね〜?
次は殺すから。分かった?』
サイドポニーテールの男は私の腕に刺さったままの刀をぐるっと回す。
『あぁあああぁああ』
激痛のあまり、叫び声を上げてしまう。
腕に刀が刺さったまま、仰向けに寝かされる。
『このままエッチするのもいいね、そそられる。
少しでも抵抗したら、これ、おもいっきり動かすからね?』
サイドポニーテールは刀を持ち、カチャカチャと動かす。
『うぅ…』
痛みのあまり唸り声が出てしまう。
再び上に跨ると、無理矢理キスをされる。
私は抵抗する力もなかった。
口内を貪るようなキスをただただ受け入れる。
『その苦痛に悶える顔見てたら、もう勃ってきちゃったから挿れるね?』
男は私の胸を揉みしだきながら言う。
"もういい…"
『泉智ちゃんの中気持ち良くて、俺大好きなんだよね〜』
"私は…穢れてる…"
『泉智ちゃんももう濡れてる?
いや、濡れてなくてもいっか?苦痛に悶える泉智ちゃんの顔見てたいし?』
ニヤけた顔付きで舌なめずりをする。
"逃げる事も許されなかった…
運すら私を見離した…"
『誰か…助けて・・・』
私は涙を流しながら、無意識のうちに言葉を発していた。
『おい!!!』
聞き覚えのある、落ち着く声が私の名を呼ぶ。
痛みと恐怖で意識が朦朧としている私の目の前に誰かが現れる。