第7章 傾覆
ーコンコンッー
『泉智です…
少しお話できないかな?』
『・・・どうぞ』
ドアを開けると、浴衣姿の恵君が椅子に腰掛けてテレビを観ていた。
『忙しい時にごめんなさい…』
『で?話って?』
冷たくぶっきらぼうな恵君の返答に、少し怖気付いてしまう。
『あの…さっきのこと…ごめんなさい。
恵君を怒らせるつもりは全くなかったの。』
『別に俺は怒ってない』
『…虎杖君に言われたの。
仲間をもっと頼れ、お前は仲間にとって必要不可欠なんだからって…』
『そうか。それは良かったな』
『それで五条先生も…』
『なんだよさっきから男のことばっかり!
うるせぇんだよ!!!
何のために来た?』
『ごめんなさい・・・
もし私が恵君の怒っている原因ならば、お詫びをしたくて…』
『お詫び?
じゃあ、こういうことしてくれるわけ?』
そう言うと恵君は私を布団に押し倒し、馬乗りになる。
突然首元を舐められ、ちゅーと赤い跡を付けられる。
『んっ…恵君…?
やっやだ…』
『やだ?そんないい声で啼いてるのに?』
『恵君怖い…やめて…』
いつもの恵君じゃない。怖い・・・
『他の男ならいいのに、なんで俺は怖い?
誰でもいいんじゃないのか?』
恵君は私の浴衣の中に手を這わせる。
太ももを撫でられたかと思うと、次は内ももを撫でられる。
『ああんっ…んん…』
いつも優しい恵君がこんな強引な事をするなんておかしい…
こんな事をさせてしまうほど、私は恵君を怒らせてしまったの…?
『もっと啼けよ。今までの男の時みたいにさ』
そう言うと恵君は私の浴衣を無理矢理開き、下着が露わになる。
『ひゃあっ』
私は恥ずかしさのあまり、手で何とか隠そうとする。
『そんな事したって、無意味だって分かってんだろ?』
恵君はそう言いながらブラの上から私の胸を揉みしだく。
『やっやだぁ……』
いつも優しい恵君が怖い…
でも・・・もしかしたら私が彼をこうさせてしまったのかもしれない。
だとしたら、これぐらいの罰、甘んじて受けるべきだ…
一番辛いのは恵君なのだから…
私は恵君に従おうと思い、目を閉じた。
『…てけ』
いきなり恵君が手を止め、立ち上がる。
『?』
『出てけ!!!』
『ごめんなさい…』
私は急いで恵君の部屋から出た。