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【呪術廻戦】恋は呪へと散りぬるを《更新休止中》

第7章 傾覆




私はしばらく虎杖君の胸を借りて、頭が痛くなるほど泣いた。
その間虎杖君は何も言わず、背中をトントンしたり、頭を撫でたりしてくれた。


『ありがとう…』

『吉本泣き過ぎだろー!
鼻真っ赤だし、目腫れ過ぎ!!!
もうすぐ夜ご飯だし、みんなにその顔見られるわけにはいかないだろうから、風呂でも入ってこい』
虎杖君は優しい笑顔で私に言う。

『ありがとう…
虎杖君も一緒に入る…?』

『はっ?!何言ってんだよ!!
早く入って来い!夜ご飯遅れんぞ!俺、先行ってっから!』
虎杖君は慌ただしく部屋を出て行ってしまった。


冗談で言ったんだけど、ちゃんと冗談って分かってくれたかな…?
でも、虎杖君のおかげで自分の考え方は間違えていたと思い知らされた。

みんなを信頼していないわけではないけど、自己犠牲という選択はある意味逃げだったのかもしれない。
もし誰かが私を救った代わりに犠牲になってしまったら…?
そんな事が起こってしまうぐらいならば、私が犠牲になればいい話…
ずっとそう思っていた。

でもこれからは、自身も含めみんなが助かる方法を考えよう。
私はみんなとずっとずっと一緒に居たいから・・・


それにしても何であんな話されたんだろう…。
そんな事を考えながら、ゆっくりお風呂に入って心を落ち着けた。




夕飯の時間。
みんなでテーブルを囲むが、恵君はこちらを見向きもしない。
"かなり怒らせちゃったみたいだから、後で謝りに行かなきゃな…。"


みんな他愛のない話で盛り上がっている中、テレビがついていたので、私は何も考えず観ていた。

『A子さんからのご相談です。
信じていた人に一度身体を許してしまったら音信不通になりました…』

"ん…?何だか思い当たる節がある…"

『それは遊び以外ないでしょう』
 『あなたに好意はなし』
『行為をしたかったから理解あるフリをしただけ』


"傑さんのことだ・・・"
あれ以来、何の連絡もない。
連絡先も聞いていなかったし、そういえば私彼の名字すら知らない…
私騙されたんだ。浮かれてたけど、ただ都合の良いように遊ばれただけなんだ…


『やっぱりね…』

ショックだった。
でも、あの時はその行為に救われた自分もいる。
大して知りもしない人と軽々しい事をした罰だったんだ…
もう深く考えないようにしよう。心がもたない。

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