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【呪術廻戦】恋は呪へと散りぬるを《更新休止中》

第7章 傾覆




『ほら見せてみ?』
『思ったより傷深いじゃない…』
虎杖と釘崎が泉智の怪我を処置している。



 

『恵、泉智の雄姿、どうだった?』
五条先生がニヤけ顔で俺を見る。

『どうって・・・
少しは成長したんじゃないですかね』
なぜだろう、少しイライラする。


『1級倒しちゃったよ?
もうさ、あの時の泉智とは違うよね。
恵は"守る側"から"守ってもらう側''になっちゃったんじゃない?』



俺は拳を握り締める。


『交流会の事は本当に災難だった。
でも、泉智はその災難を自分の糧にしたんだよ。
逃げずに向き合った…
だから強くなれた。』



まさかだった…
あいつがあそこまで成長してるとは思っていなかった。
もう俺が守らずとも、あいつは自分自身で自分を守れるはずだ。
自分よりも弱い俺を見て、あいつはどう思うのだろう。
あいつにとって、俺はもう用無しか?


『恵も強くならなきゃね〜』
五条先生はそう言うと、泉智達のもとへと向かった。

俺は居ても立っても居られなくなり、その場を離れた。





『・・・君!!
・・・めぐみくん!!!』

声のする方を振り返ると、そこには息を切らした泉智がいた。

『めぐみ君…無視…しないでよぉ…』

『悪い・・・』
かなりショックだったのだろうか、俺は泉智の声が一切聞こえていなかった。


『恵君一人でどこか行っちゃうから…心配で……
まだ呪霊がいるかもしれないから、あんまり一人で行動しない方がい…』 
『うるさい!!!』

大きな声をあげてしまった。
泉智は驚いた顔で俺を見ている。


『自分が少し強くなったからって、次は俺の心配か?俺が弱いから笑いに来たのか?
俺は一人で大丈夫だ。お前に守ってもらわなくても一人で戦える。
俺にかまうな、ご立派な呪術師さん』

泉智がどんどん強くなって、置いていかれている危機感なのか…
俺の元から離れて行ってしまうのではないかという不安なのか…
思ってもいない言葉が口をついて出てしまう。


"しまった…"
そう思い泉智の顔を見ると、目に涙を溜めてこちらを見ている。


『ごっ…ごめんなさい…』
泉智は踵を返して走って去って行く。



『何言ってんだよ俺…』


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