• テキストサイズ

【呪術廻戦】恋は呪へと散りぬるを《更新休止中》

第7章 傾覆




『前よりは動けるようになったな』
真希先輩にそう言ってもらい、嬉しくて顔が綻んでしまう。
私は療養中も鍛錬を欠かさなかった。
強くなりたかったし、これ以上みんなに差をつけられたくなかったから…。


『そういえば、あの雑魚呪詛師無傷だったんだろ?
なんで何もしなかったんだ?
呪術禁止だったにせよ、その呪具持ってただろ?』

『確かになぁ。
これだけ扱えるなら、雑魚はすぐ倒せるはずだけどな』

『しゃけ・・・』

先輩たちの視線を一身に浴びる。



『・・・相手の術式なのかは不明ですが、あの時手足の自由を奪われていました…。』
震える手を握り、精一杯の声を出して答える。
"思い出すな・・・思い出しちゃダメだ・・・"


『身体の自由奪われて、ずっと一方的に攻撃されてたのか?

……お前…まさか…』

真希先輩は何かに感づいたのか、私を真っ直ぐに見て言う。
『強くなるんだぞ』


『はい。強くなってみせます。』
私は先輩たちを真っ直ぐに見て答える。






休憩中、恵君が私の元へと来てくれた。

『調子はどうだ?しごかれて逃げ出したくなってないか?』
そう少し笑いながら言ってくれる。

『逃げ出しても、行く当てもないからね。』
そう笑い飛ばす。

『その・・・大丈夫なのか?』
気を遣って聞いてくれているのがヒシヒシと伝わってきた。

『ありがとう。もう大丈夫だよ。』
みんな私を心配して聞いてくれる。
人に心配されたことなんてないから、不謹慎なのかもしれないけどすごく嬉しい。

『そっか。
今度の遠征、本当に行けるのか?無理してないか?』

『ううん!あれね、実は私が提案したの。
先生が姉妹校交流会が微妙な感じで終わったって嘆いてたから、じゃあ遠征はどうですか?って。
だからね、あれはほぼ私の意向なの!』

『そうだったのか…
その…無理はすんなよ』
恵君は私の目を見て言う。


ドキッ

"…忘れてたこの感じ…。
恵君と話すと感じるこの気持ち…なんなんだろう。"



『まっ、無理するなよって言われてお前が無理しないわけないよな?』
恵君はふふっと笑った。


色々あったけど、みんなが私を勇気付けてくれた。
みんながいてくれたから、私は何度も立ち上がってこれた。

だから私は、みんなのためならば無理をしてでも、悪に転じてでもみんなを守りたい。

/ 145ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp