第13章 9. 夜半の求愛 ※
否定は出来ても言い返せないのが悔しい。
シェラはごろんと寝返りを打ってフロイドに背を向ける。
「拗ねてそっぽ向いちゃうってことは図星ってこと?オレが思ってる以上に小エビちゃんってえっちな雌だったんだねぇ……?」
背を向けたシェラを追うようにしてフロイドが迫ってくる。
逃がさないと言わんばかりに、シェラを閉じ込めるようにフロイドの腕がシェラの身体にまわされ、背後から大きな身体に捕われる。
「だから人の話を……っ!ちょ、みみは……っ……ぁ」
「あは、ジョーダンだよ。ほんとはそんなこと言いたいんじゃないって分かってるって」
人の話を聞くよう反論しようとしたシェラの耳をフロイドはやわく食む。
背中から伝わるフロイドの熱と溶けて混ざるように、体温がゆっくりと上昇していく。
「小エビちゃんかわいい、だいすきだよ」
耳元で囁かれる、所々掠れる甘い響きの声が艶かしい。
「ひ……っ、それはずる……っ、っぁ……っ」
「そんなに可愛い声出されたら、もっとしたくなっちゃうでしょ……?」
耳がシェラの性感帯のひとつだと知ったフロイドは、長い舌でねっとりと耳殻を舐る。
みだらな水音が響くと、シェラは全身が粟立つ感覚に襲われる。
「ちょ……っ、みみは、だめだって……っ……やぁ……っ」
背中を弓なりにしならせながら、シェラは堪えきれずに声を上げる。
フロイドの舌や唇が耳元で動く度に、シェラは呼吸を乱される。
ゆっくり、ゆっくりと、落ち着いていたはずの熱が頭をもたげたのと、フロイドが再び欲を燃やし始めたのは同時だった。
フロイドの手が、ジンジンと疼くシェラの秘部に伸びる。
「耳舐められるだけで濡れちゃうの?」
「あなただって、人のこと言えないじゃないですか……」
太腿の裏に硬く屹立した欲望を感じた。
それを押し当てるように、まるで人魚が尾びれで絞め上げるようにして、フロイドは自身の長い脚をシェラの脚に絡めて離さない。
「またこんなに硬くして」
淡々と言うが、本音は自分で反応してくれるのが嬉しかった。
シェラは手を後ろにやり、膨張したフロイドのペニスをそっと撫でる。
手の中で、それが更に太く硬くなったのがわかった。
後ろでフロイドは何かを堪えるようにぎゅっと目を瞑り唇を引き結ぶ。