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泡沫は海に還す【twst】

第13章 9. 夜半の求愛 ※


熱い吐息を洩らしながら腰を打ちつけるフロイドからは、普段の余裕は全く感じられなかった。
刻み込まれる想いの強さを全身で感じ、シェラの黒真珠の瞳にうっすらと涙が浮かぶ。

(やっぱり、ずっと一緒にいたい。離れたくない……)

改めて思う。フロイドと離れたくない。
心も身体もまるごと愛されることが、こんなに幸せだとは思わなかった。

フロイドと視線が交わる。
涙がひとひら落ちるように、思わずシェラの唇からこぼれた。愛している、と。

フロイドのペニスが更に怒張したのが分かった。
限界が近い中でフロイドも愛している、と返した。

「ん……っ、ぁ……も……出そぉ……っ」
「あ……っ、中は……っ」
「ぁ……っ、わかってる……っ。……っぁ、い……く……っ」
フロイドは絶頂を迎える寸前のペニスをシェラの膣からずるりと引き抜く。
大きな質量を持ったモノが体内から抜かれ、ぞわっとするような排泄感にシェラの背がしなる。

「……っ……!う………っ、………」
フロイドの喉奥から、ぞっとするほど色めいた声が洩れる。
シェラの体内から引き抜いたペニスを、フロイドは僅かに自身の手で扱くと、白濁した欲をシェラの腹の上に吐き出した。

(あったかい……)

シェラは自分の腹の上に出されたフロイドの精液を、神妙な表情で見つめる。
フロイドは大きく息を吐くと、脱力したようにシェラへ覆い被さってきた。

「ついちゃいます……」
「…………、いーよ」
シェラとフロイドの身体の間で、体液がぬるりと滑る。
言葉少なくフロイドは、自分の身体が自身の精液で汚れることに関して気にしないと言うと、シェラをぎゅっと抱きしめる。

乱れた呼吸を整えるように、抱きしめたまま何も言葉を発さないフロイドの頭をシェラは優しく撫でた。
ついさっきまで激しく腰を振っていた姿とは似ても似つかない無防備な様子に母性をくすぐられ、シェラは表情を柔らかくする。

やがて呼吸が整ったフロイドは、ゆっくりと顔を上げ愛おしげに目を細めて、シェラにキスをした。
繋がっている最中に出来なかった分まで、深く味わうように丁寧に何度も何度も唇を重ね合った。

「小エビちゃん……、……シェラ、だいすき……」
「わたしも、だいすき……です」
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