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泡沫は海に還す【twst】

第13章 9. 夜半の求愛 ※


「すっごい。ぬるっぬるだね……魚の粘液みたい」
「さかな……」
ムードをぶち壊すような、そしていかにもフロイドらしい喩えに、笑いを堪えたシェラは何とも言えない微妙な表情を浮かべる。
ガチガチに強ばっていたシェラの身体からゆるゆると力が抜ける。
しっとりとした色っぽい雰囲気は多少崩れはしたが、それはシェラの緊張を解すのに一役買ってくれた。

溢れる粘液で濡れるシェラの雌の象徴を、フロイドはゆっくりと指でなぞった。
ぴちゃ……と水溜まりを叩くような水音がシェラの耳に響く。

「全部、見たいなァ……?」
フロイドはシェラのショーツに手をかけ、するりと取り去った。
シェラは反射的に膝を閉じてしまう。

「ちょっと待ってください、その、恥ずかしい……」
「ん?まだ恥ずかしいの?」
恥じらうシェラを見下ろしながら、フロイドは首を傾げた。

「当たり前じゃないですか。……こんなとこ、誰かに見せるのは初めてですから……」
恥じらいに頬を染めながらシェラはフロイドを見上げる。
するとフロイドは再び考えるような仕草を見せると、ニコッと明るく笑った。なんだか既視感がある光景だった。

「そっか。……じゃあ、小エビちゃんだけ裸なのはフェアじゃないから、オレも全部脱ぐね!」
「はい……?」
どうしてこうフロイドは脱ぐことに何も抵抗が無いのか。
海では服を着る習慣がないから、当たり前か。
人間と人魚の価値観の違いを、シェラはひしひしと感じる。

「ほら、今度もちゃんと見てて……?」
フロイドは甘くシェラに声をかけると、スラックスのホックを外した。
ゆっくりとシェラに見せるようにしてファスナーをおろすと、スラックスが腰から滑り落ちる。
引き締まった男性的な腰回りと、しなやかさが見て取れる脚が露出する。

その瞬間、シェラは小さく上擦った声を上げた。
下着越しに雄々しく隆起するフロイドのペニスを目の当たりにしたからだ。

「目、そらすなよ」
フロイドは下着に手をかけ、最後の1枚を取り去った。

羞恥のあまり目をそらしたくても、フロイドの視線と言葉が枷のようにシェラを支配し、そうすることが出来ない。
シェラの眼前に、分かりやすく欲情したフロイドの雄の象徴が姿を現す。
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