第7章 コチョウラン *全校生徒+α*
「じゃあ、プレゼントは何がいいかな。」
一緒になにか買うにあたって、何を買うかの討論がこちらでも始まった。3年の富松作兵衛が中心に場をまとめ始めるが・・・、無自覚と決断力のある方向音痴2人はじっとしていられないようですぐにどこかに行きそうになっている。
「1年生達は、和歌菜先輩が好きな和菓子を買うみたいですよ。」
「そっか、じゃあ俺達は…」
「先輩の好きなものって何でしょうか…」
池田三郎次と羽丹羽石人が悩みながら富松に話しかけていると、3年の伊賀崎孫平が「あっ!」と声を上げた。
「和歌菜先輩に、ジュンコの抜け殻をあげようよ!和歌菜先輩はジュンコと仲がいいし蛇の抜け殻には幸運を呼ぶって言われているし!」
なんて孫平は1人で愛蛇のジュンコを撫でながら「ねぇ~♡」と言っていたが、他の生徒は全員ガン無視状態だった。
「他に何か…」
「先輩は、抹茶の和菓子が好きだから…」
「あ!お茶はどうでしょうか」
と、全員が悩んでいた時四郎兵衛がつぶやいたとき、石人がハッとして一言提案した。石人の言葉に、2年と3年は少しうーん…と考えて・・・「いいな!」と賛同した。
「そういえば前に学園長先生のお使いに行った時に立ち寄った茶屋で、駿河の国の茶が有名だって聞いたことがあるぞ!」
「左門…お前ホントにそのお使いちゃんと行けたのか?」
「確かに駿河の国のお茶は有名だが、かなり高級だって聞いたぞ。」
「でも、みんなでなんとかお金を合わせれば買える物もあるかもしれない!」
「明日みんなで茶屋に行こうか!」
と、富松がひとしきりまとめて2年生と3年生の意見がまとまり1年生同様午後に授業がないということで全員で買い物に行くことにしたのだ。
「四郎兵衛、明日は三之助の迷子紐頼むぞ…」
「あ…はい。」