第7章 コチョウラン *全校生徒+α*
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「聞いたか?1年達が…」
「あぁ、和歌菜先輩の誕生日を祝うんだろ?」
「1年生は3クラスが力を合わせて金を出し合って高級和菓子を買うらしいぞ。」
「僕らも先輩に何か上げたいんだな…。」
「和歌菜先輩のお誕生日なら、僕もお祝いしたいです。」
1年生達の騒ぎを聞いた他学年たちも、みんな彼女の誕生日の話題でもちきりだった。1年がみんなで持ち寄ったお金で高級和菓子を買うものだから先輩である他学年は1年生を以上の事をしないと・・・というプレッシャーを感じているようだった。
2年生達もまた、彼女に何か贈ろうと画策しているようだった。だが、5人でお金を持ち寄っても難しいだろうと…と5人は頭を抱えていた。
「うーん…。今みんないくらくらい持ってる?」
「そんなに…」
「おれはこの前、キリ丸のバイトを手伝った分があるからそれなりに…」
「僕も…。」
「そうか…。」
と、2年生達がうーん…と悩んでいると「どうしたんだ?」と、2年生の教室を3年生が6人揃って覗いていたのだ。
2年生の時友四郎兵衛が、自分の委員会の先輩である次屋三之助に事情を説明した。
「それなら、俺達も考えていたんだ。」
「俺達3年生は、先輩と関わりがあるとは言っても1年や上級生ほどじゃない。かといって、何もしないというのも気が引けてな…。」
「あ、なら3年生と2年生で一緒にお金を出し合って何かを買わないかい?」
と、3年の三反田数馬が2年と3年に提案した。
最初こそ・・・「えぇ~…2年とかよ」「3年の力なんて…」なんて言っていたけど、3年の浦風藤内の「和歌菜先輩のためなんだから!」という一言で全員おとなしくなり、結局2年と3年は一緒にプレゼントを買うことにしたようだった。