第7章 コチョウラン *全校生徒+α*
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「下級生達が盛り上がっているが…。」
こちらは噂を聞きつけて、下級生達の相談もこっそり盗み聞きをしていた5年生の蜂屋三郎が5年生達が集まっている5年い組の教室に戻ってきた。
そして、5年い組の教室では・・・ある一角が異常なほど暗くなっていた。それは、彼女に熱烈な好意を抱いている久々知兵助だった。
「俺…彼女の誕生日すら、知らなかったなんて…」
「まぁまぁ、誕生日は明後日なんだから。何か考えようぜ。」
「そうだぜ兵助、何かプレゼント思いつかないかい?」
「彼女と出かけるたびにいろいろ買ったりしているから逆に今何が欲しいとか分からない…。」
と、また余分に沈み始めた。
残りの5年生達は久々知の事はともかく、彼女の誕生日になにか贈ろうと考えを膨らませる。
「何か、みんな情報ないか?」
「前俺が生物委員会手伝って貰った時は…確か、可愛い着物が欲しいって…」
「着物って、そんな高級品買えねえよ…」
「じゃあ、簪とかはどうだ?」
「うーん…あ!帯飾り!!」
と、尾浜が突然声を上げた
尾浜曰く、彼女は今でも多くの着物を持っているがより華やかにするための帯飾りやそれ以外の着物飾りを贈るのはどうかと提案した。他の5年生達もそれに賛同した
「じゃあ、明日の午後みんなで買いに行くか?」
「あ…俺明日委員会だ…」
「俺もだ…タカ丸さんがいないから焔硝蔵の掃除を…」
「あぁ~、じゃあ俺と三郎と雷蔵で行ってくるか!」
「あぁー!!勘右衛門俺と委員会変わってくれーー!!」
と、尾浜に泣きつく久々知を他の5年生達は笑っていた。
すると、不破が廊下の方から気配を感じた。
チラッと廊下を見るがすぐに気配が消えてしまった。