第2章 ブッドレア *浜守一郎*
「…お?戻ったか、遅かったな…ッ⁉守一郎どうした!?」
集合場所に行くと、俺の走り方がおかしいことに食満先輩がすぐに気づいて俺の事を呼ぶ。そして、もう1人の立花先輩も俺の背中にいる喜八郎を見て動揺したようだった。
「…ひとまず近くの小屋へ行こう。喜八郎と守一郎の手当てが先だ!」
と立花先輩が俺達に指示をしてそれに従い近くの小屋に入った。
そこで俺と喜八郎の手当てをした後俺と彼女は食満先輩にかなり怒られた。食満先輩はもともと彼女の事が嫌いだったみたいで俺よりも彼女の方をひどく怒っていた。
俺はなんとか弁解したが、彼女はずっと落ち込んでいるようだった。
俺はその後戻ってきた立花先輩に代わって周辺の見張りを任された。
俺は小屋の近くにある木の上で見回りをしようとしていたが、俺のすぐ後に彼女が小屋から出てきたのが見えた。
俺は落ち込んでいる彼女がどこかに行ってしまうのではないかと思って小屋に戻ってみた。
するとそこでは、喜八郎と食満先輩と立花先輩が何かを話していた。俺は扉に耳をつけてこっそり聞いてみた。すると・・・
「喜八郎…お前由利の事、どこまで知っている」
突然立花先輩が喜八郎にそんなことを言いだした。
どこまで知っている・・・ということは、何か秘密があるのか?と思いもっと聞いてしまった。
「…。あいつ…いや、彼女が女だってことは初めて会った時から気づいてましたよ。あと、何か隠しているってことも…でも、話したくなさそうなので何も聞いてないです」
「喜八郎、この際だから言うが…あいつ、由利若月の正体は、学園長の命を狙ってこの学園に潜入している暗殺者だ。」
3人の会話が、俺にとって衝撃的だった。
だって、ずっと彼女の事は男だと思っていたのだから。
しかも・・・暗殺者・・・?