第6章 オシロイバナ *不破雷蔵*
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『失礼しま~す。雷蔵さんいらっしゃいますか?』
「あ、いらっしゃい和歌菜。」
『すみません…今日もお伺いしたいことが…』
あれから、彼女は本当に頻繁に図書室に来るようになった。
本を読みに来るわけでも、勉強するわけでもなく、ただ僕のところへ来ては授業で習った中で分からないところを教えてもらいに来ていた。
僕都合よくつかわれてるな…なんて思っているけど、
それに対して悪い気は全くしてないし、むしろ図書室に来る他の生徒達に
「最近不破先輩と和歌菜先輩仲いいよな」
「付き合ってるとか…?」
という噂を立てられてちょっとだけ嬉しかったりもしている。
一度中在家先輩に・・・
「小平太が、雷蔵と和歌菜の関係を気にしていた。」
と言われ冷や汗を流したが彼女はそんなことお構いなしに図書室に通ってきた。そして、そんな日が数日続いてしまったことにより、僕は兵助に呼び出された。