第6章 オシロイバナ *不破雷蔵*
「よしみんな!!食べてくれ!!」
今日は兵助主催の通算何十回目の豆腐パーティ
僕達はもう飽き飽きしていたが、特別ゲスト・・・という名目の残飯処理係の1年のしんべヱと彼女が食堂に招かれていた。
「いっただっきま~す!」『いっただっきまーす!!』
と、僕達5年生を差し置いて下の2人はすぐに箸を進め始めた。
冷奴にはじまり揚げ出し豆腐に湯豆腐、麻婆豆腐に豆腐飯と、ありとあらゆる豆腐料理が並べられているのだが、2人はそんなことお構いなしと言わんばかりに食べ進めていく。
「すげえな…」
「しんべヱはともかく、和歌菜って実は食べる子だったのか?」
『ん~?ッはい、あたし結構食べるの大好きです!!』
と、笑顔で大皿に乗った麻婆豆腐を食べきる・・・というか、もう飲んでいるような感じだった。
でも、そんな風に目の前で美味しそうに食べられたらこっちもなぜだか食べられそうな感じがして自然と箸が進んでいて、今までの中ではかなり食べられたのだった。
・・・でもやっぱり
「俺…もう無理…」
「俺も~…」
『えぇ~、八左ヱ門さんに三郎さん早すぎません?』
「不破先輩も尾浜先輩も全然食べてないじゃないですか!!」
後輩2人の食欲が化け物過ぎて、もう僕達には手に負えなかった。
それに、2人に触発されたせいで兵助も異常に豆腐を作ってくるものだからもう僕達には無理だった。
「僕…もう冷奴も食べられない…味にも飽きたし…」
『そうですか?冷奴だったら、味変すればまだ食べられますよ?』
僕がそうというと、彼女は僕の前に置いてあった冷奴を自分の元へ持っていった。すると、小さなお皿の上に醤油と・・・わさび?をのせて混ぜ始めた。
そして、それを冷奴にかけて・・・一口