第2章 ブッドレア *浜守一郎*
そして、俺が初めて彼女が女だと知ったきっかけがあの共同任務の時だった。
俺が所属している用具委員と同学年の喜八郎が所属している作法委員会との協力してとある城から武具を奪ってくるというものだった。
俺は初めての任務で浮足立っていて、しかも学園長の思い付きで彼女も一緒に行けるということでとてもワクワクしていた。
でも俺はその時初めて忍者の三病の1つの重さを知ったんだ。
俺は正直、初めての任務で浮足立っていて敵の事も軽く考えていた。先輩達からも注意するようにと言われていたが陽動ということで少し調子に乗ってしまった。
敵が火薬の武器を多く持っていることを侮って突っ込んだらどこからか銃の音が聞こえたと思ったら足を撃たれて動けなくなってしまった。
「くそッ!!火薬の武器が多かったのか…」
苦無を持っていても、足を怪我しているからむやみに動けないし・・・見つかってしまったことで敵も増えてきて・・・
敵が銃を持って集まってきたから建物の陰に隠れるが、その後どうしたらいいか分からなかった。
「うわぁ!!」「ぎゃぁッ!!」
敵の叫び声が聞こえてきたから俺はそっと物陰から覗いてみた。そこには両手に鉄扇を持った若月が石火矢を持っている敵の何人かを倒していた。
「若月!?」
『何してんだよ守一郎!!ほら、ひとまずここを離れるぞ。東側に敵が集まってくる。オレが注意を引くから守一郎は西側の喜八郎のところに行け!!』
「えっ…でも俺足を…」
『いいから!オレが引き付けてる間に!!』
と言って、俺の前に出てまた鉄扇を振るって敵を切りつけていく。俺はなんとか身体を起こしてゆっくりだが建物の屋根に上って喜八郎がいる西側の門に向かった。