第2章 ブッドレア *浜守一郎*
俺はその後も、彼女の事は本当に男だと思って接していた。
俺は曾祖父に習っていた古い忍術しか使えなかったから彼女の使う忍術や技術も目新しくて彼女ともよく鍛錬をしていた。
「若月はすごいな!!俺の知らない技術も持ってて!!」
『オレの技術なんてまだまだだよ。ここで学ぶことは本当に多いよな』
「あぁ!若月、一緒に勉強頑張ろうな!!」
『おぅ!!』
なんて言いあった時もあった。
俺はあの言葉に嘘はないと思って居るけど、実際はどうだったんだろうな。
それに4年生のみんなで鍛錬し合ったり出かけたりと割と親しい関係だったと思う。
「なぁ三木ヱ門、何怒ってるんだ?」
「何って…昨日の火薬の実技の訓練で…私の成績よりも若月と滝夜叉丸にちょ~っとだけ、ほんのちょ~っとだけ!!負けたんだーー!!!火器に関しては学年で一番のこの私がーー!!」
何度か同じクラスの三木ヱ門が時々こう言ってい組の滝夜叉丸や彼女の事を言っていた。
「三木ヱ門は、滝夜叉丸や若月が嫌いなのか?」
「滝夜叉丸はともかく若月は嫌いではない。なぜなら!!忍術学園のアイドルのこの私と競り合うほどの美しさを持ち滝夜叉丸よりも性格がさっぱりしていて!」
「そ…そうか」
「でも、なんでだろうな。どうもあいつは嫌いになれないんだ。それどころか、絶対勝ってやる!!と奮い立つんだよな。」
と、自慢のゆりこを磨きながらそんなことを言う。
俺はそんな三木ヱ門がとても楽しそうに見えた。それを言うと三木ヱ門は怒るから何も言わなかった。
三木ヱ門も、この時は彼女が女だってことは知らなかっただろうしきっと純粋に彼女の事を好敵手だと思って居たんだろうと思う。