第5章 アサガオ *齋藤タカ丸*
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また別の日・・・
「むぅ~…」
「どうした、喜八郎…。そんなにむくれて」
「和歌菜は…?」
「和歌菜?そういえば、さっき5年の先輩に呼ばれていったけど…」
「またあの先輩?ホントしつこいよね…」
「あの先輩だけじゃないさ、他にも6年生や同級生…後輩からも呼び出されているのを見たことがあるぞ」
「ふふん、さすがは和歌菜!この平滝夜叉丸の美しさのライバルだけあって…」
「何がライバルだ!!和歌菜のライバルは私だ!!」
と、4年生みんなでランチをしていた時和歌菜の姿はなかった。
また他クラスの人に呼び出されて告白をされているのだろう、最近すごく多い。本人は一切興味がないし、理想のタイプが『自分より強くて男らしい人』だから、告白ついでに勝負を挑んでくる人に対しては容赦しないし勝っちゃうから、しばらくは心配ないと思うけど・・・
「みんな、和歌菜を呼び出して何してるんだろうな」
と、恋愛感情に疎い守一郎がそんなことを言う。
天然記念物顔負けのセリフに俺も含めてみんなが驚いていた。
喜八郎や滝夜叉丸ははぁ…とため息をつくし三木ヱ門はあわあわし始めた。
「告白だよ。和歌菜に付き合ってくださいっていう愛の告白」
「付き合うって…どこに?」
「男女交際のことだよ。交際してくださいって言う申し込み。」
「へぇ~。和歌菜は人気者なんだな」
そうだよ、和歌菜はみんなに愛される人気者
彼女には人を惹きつける魅力みたいなのがあって、それに加えて・・・
「そりゃモテるだろうな。あの容姿もさることながら気配りや教養それに明るく朗らかな性格の女が男所帯にいれば好意を持って当然だろう」
と、いつもは彼女の容姿などに嫉妬している三木ヱ門や滝夜叉丸ですら彼女の事を認めて素直に褒めるほどだ。すると、頭の上にずっと?マークを乗せている守一郎が俺達にこんなことを聞いてきた。