第5章 アサガオ *齋藤タカ丸*
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あれから、いろいろあって今は女の子として同じ4年生の授業を受けて生活している。
部屋に関しては少し揉めて彼女を1人部屋に移すべきだって人もいたけど彼女の希望で『タカ丸さんが一緒の方が安心できます』って言ってくれたから俺はまた同じ部屋で一緒に過ごせている。
今日も彼女が出かけるということで元髪結いの俺が彼女の髪を綺麗にしてあげた。
「はい、できたよ。」
『ありがとうございます!』
「うん、今日も可愛くできた。どこかに出かけるの?」
『えっと、久々知兵助さんと町に買い物に行くんです』
「えっ…」
俺は思わず彼女の髪結いをする手を止めてしまった。
久々知君…と、か・・・
「そっか、気をつけて行ってきてね」
『はい!じゃあ行ってきますね、お手伝いありがとうございます!!』
と、彼女は笑顔で部屋を出て行ったから俺はそれを笑顔で見送った。でも、本心はすごく複雑だった。
久々知君が、彼女の事を好きなんだろうな・・・って言う事はずっと分かっていた。委員会活動をしていても彼女が手伝ってくれる時とそうでない時とでテンションが全然違うんだから。
それに、彼女が女の子だって正式に認知されてからというもの彼女は圧倒的に外出が増えた。いろんな生徒にデートに誘われているんだろうなというのは分かるけど・・・
あぁ…いやだな・・・