第2章 ブッドレア *浜守一郎*
俺が初めて若月・・・いや、和歌菜に会ったのは用具委員の仕事をしていた時だった。
まだ編入して日が浅かった俺は、用具委員の仕事中に安藤先生のギャグを思い出して笑っていた。
「守一郎!」
「ガッハハハ!!…あぁ、タカ丸さん!どうしたんですか?」
「どうしたじゃないよ、また大声で笑って…」
「いや、安藤先生のギャグを思い出してしまって…ブッフ!!」
「あぁ、もう思い出さなくていいよ。それより、ほら」
『どうも、はじめまして。由利若月です。4年い組です。』
それが彼女との初めての出会いだった。
俺は容姿などに頓着がなかったから、髪の白い派手な同級生だな…と思ったくらいだった。
「あぁ、編入してきた…。俺は浜守一郎!オレも編入してきたばっかりなんだよろしくな!!」
『うん、よろしく。』
と、彼女が手を出してきたから俺もその手を握っておもいきり握手した。それくらい俺は新しい仲間が増えて嬉しかったんだ
「なんだ、守一郎。どうした?」
「あぁ、食満先輩!と…作法委員の立花先輩!!
「あぁよかった、由利。こちら6年生で用具委員の食満留三郎先輩と作法委員の立花仙蔵先輩だよ。」
『あ、はじめまして。由利若月です。』
「ん?あぁ編入生か。」
「…よろしく。悪いが今忙しいのでまた改めてくれないか。」
と、タカ丸さんが彼女を先輩達に紹介してすぐに立ち去ってしまった。
俺はその後ろで2人を見送っていたが、その時先輩達が不思議な顔をしていたが、今思うとその時の時点で先輩達は彼女の事気づいていたのかなと思っている。