第4章 アネモネ *尾浜勘右衛門*
「なんだよ、お前も兵助と同じで好きになった口か?」
なんて茶化してみるけど、八左ヱ門はそんな事気にしてないように話をつづけた。
「ん~、そうかもな。この前も生物委員会の手伝いをしてもらった時に飼っているタヌキやウサギの世話をしている彼女がすごく可愛く見えて…。なんて、兵助に言ったら絶対怒られるよな」
アハハ、って笑ってるけど多分八左ヱ門も彼女の事を本気で好きになっていると思う。笑った後すぐに真面目な顔になってちょっと寂しそうな表情に変わったから。
「兵助、今度の休み和歌菜とデートだってよ。」
「えっ!?」
「なぁ、八左ヱ門…。ちょっと次の休み一緒に出掛けないか?」
「…おぅ!」
俺はまだ彼女に関する話を八左ヱ門にしていないから、いつもの兵助を茶化していると思われたようで八左ヱ門はすぐにその話に乗ってきた。
「なんだなんだ、面白そうな話をしているな。」
「おっ?雷蔵に三郎。お前らもどうだ?次の休み」
「いや、行きたいのは山々だが別件で用があるんだ」
「そうか…。」
「でも、面白い結果だったら教えてくれよな!」
と、4人でニヤニヤしながら次の休みの計画を練ることにした。